【大学編入】東京大学編入体験記

東京大学工学部の編入試験が終わりました.
筆記での入学試験というものを体験してこなかった生活だったので苦労の連続でした.
なので体験談をつづっていこうと思います.

 

はじめに言っておきますが,不合格でした.
1次試験は通ったのですが2次で落ちました...役に立つ記事になればと思います.
でも,自分の成長につながるいい試験だったと思います.

 

この記事では編入で使った書籍などを掲載しており,定番のものが多いですが,
何冊かは自分で買って何周も繰り返すことをオススメします.
自分的には 基礎 物理学演習 は物理の先生からオススメされたのですが,最高の演習書でした!

 

編入前の自分
4年の10月に勉強をスタートしました.
それまでは,バドミントンに打ち込んでいたので東大を受験することなど考えてもいませんでした.
このときのTOEICのスコアは

Listening 255 : Reading 145 : Total 400

でした.今思うと笑えますね.
このころの自分は数学は得意だったのですが,英語は普通の高専生レベルだと思います.

 

・4年10〜11月
英語に関しては,まずはTOEICだと思い,『金のフレーズ

 

新TOEIC TEST 出る単特急 金のフレーズ

新TOEIC TEST 出る単特急 金のフレーズ

 

 

を音読して単語を鍛え,『公式問題集』※新形式の方もいいらしいですね

 

TOEICテスト新公式問題集< Vol.6>

TOEICテスト新公式問題集< Vol.6>

 

 

 

TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編

TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編

 

 

を繰り返しました.他には,『文法特急

 

1駅1題  新TOEIC TEST文法特急

1駅1題 新TOEIC TEST文法特急

 

 

をしたと思います.
この選択は間違ってなかったと思います(TOEICのスコアで比較されてしまったりするので).

数学は『徹底研究』※周りに買っている人が多かったくらい人気です

 

編入数学徹底研究―頻出問題と過去問題の演習

編入数学徹底研究―頻出問題と過去問題の演習

 

 

と『過去問特訓』※これできるようになったら旧帝大クラスとも言われるのかな

 

編入数学過去問特訓―入試問題による徹底演習

編入数学過去問特訓―入試問題による徹底演習

 

 

を1周しました.最初の手応えとしては習ったことの発展は,考えが浮かべばイケると思いましたが,授業で習ってないところを理解しなければいけなかったです.

九大芸工の音響設計を目指していたので物理はこのときやってないです.

 

・4年12月
先生や東大に合格した先輩に勧められたことや機械学習について学んでみたいという意欲から計数工学科を目指そうと決めました.

英語はTOEIC対策をしていました.英字新聞もちょこちょこと.

数学は確率や線形代数微分積分学をしっかり復習しました.
教科書やマセマを使ってました.
マセマは読みやすいのでオススメですが問題が少ないのでたくさんの問題に触れましょう.

 

 

 

スバラシク実力がつくと評判の確率統計キャンパス・ゼミ (大学数学「キャンパス・ゼミ」シリーズ)

スバラシク実力がつくと評判の確率統計キャンパス・ゼミ (大学数学「キャンパス・ゼミ」シリーズ)

 

 

 

 

物理はどうやって進めていくか悩んでいました.
そのときに先生が『物理学

 

物理学

物理学

 

 

という本を貸してくださったので,その本や教科書を読んで,高専で習ったことを復習していました.
広い範囲をカバーしているので全体を理解するのにはもってこいです.

 

・4年1月
このとき(1月31日)のTOEICのスコアは

Listening 395 : Reading 295 : Total 690

でした.これ以降は受けてないです.

課題やテスト等があり,あまり勉強に時間が取れなかった時もあったのですが,英語は英字新聞を読んだり『Duo 3.0

 

DUO 3.0

DUO 3.0

 

 

ボキャブラリーを増やしていました.
数学は線形代数微分積分学の復習をしました.

物理は共立出版の『基礎物理学演習

 

基礎 物理学演習

基礎 物理学演習

 

 

の力学を1周しました.

※この本は編入試験における多様な問題に対する対応力が身につくので,本当にオススメです.力学から電磁気,熱力学,現代物理まで含んでいるので物理を勉強する際には必須と言ってもいいと思います.

 

・4年春休み
他の受験生に負けられないと思い,1日12時間は勉強しました.

英語は『ポレポレ英文読解

 

ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式

ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式

 

 

で長文読解と和訳の力をつけました.※読解のコツはこの一冊養えます

これだけだと少ないので『The Japan Times』を毎日1〜2記事読んでました.
単語力が不足していたので『Duo 3.0』を音読し,
リスニング対策として『キムタツ 東大英語リスニング

 

灘高キムタツの東大英語リスニング (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)

灘高キムタツの東大英語リスニング (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)

 

 

もおこなっていました.

数学は『徹底研究』を1周し,『明解演習 微分積分』と『明解演習 線形代数

 

明解演習微分積分 (明解演習シリーズ)

明解演習微分積分 (明解演習シリーズ)

 

 

明解演習 線形代数 (明解演習シリーズ)

明解演習 線形代数 (明解演習シリーズ)

 

 

のわからないところをちょこちょこしました.
複素解析はノータッチだったので
なっとくする 複素関数』※これは広範囲で,かつ分かりやすかった

 

なっとくする複素関数 (なっとくシリーズ)

なっとくする複素関数 (なっとくシリーズ)

 

 

とマセマの『複素関数』※安定の分かりやすさ

 

 

で8割くらいはマスターしました.

物理は『基礎物理学演習』の力学と電磁気を1周しました.
また,『電磁気学演習』※力学は『基礎物理学演習』だけでも十分ですが,電磁気はこれもやっていると完璧になると思います.

 

電磁気学演習 (理工基礎 物理学演習ライブラリ)

電磁気学演習 (理工基礎 物理学演習ライブラリ)

 

 

を1周しました.基礎はだいたい身につけたと思います.
ちなみにこのときは,力学と電磁気以外はどこが出るのか予想できないので捨てていました.

劣っていた英語と物理を中心に勉強したので,春休みに集中してできたことは良かったと思います.

 

・5年4〜6月
5年生になってからは,足りてないところを補うことを心がけました. 

英語については,英作文をしていなかったので『英作文講義の実況中継』
編入試験において英文を書くことが多いので,細かい大切なコツを教えてもらった本です.

 

大矢復 英作文講義の実況中継 (実況中継シリーズ)

大矢復 英作文講義の実況中継 (実況中継シリーズ)

 

 

と先生にもらった英作文の課題をしました.
このときも『Duo 3.0』は毎日欠かさず音読していました.
また,先生に『The economist』を勧められ大量の記事の印刷をもらったので面白そうな記事をピックアップして読んでました.

数学は編入対策の授業があったのでその時間に勉強してました.それと並行して過去問をh16あたりから解いていきました.答え合わせを先生に頼まずネットや本で調べて解答を作っていました.

物理は『基礎物理学演習』の力学と電磁気を1周して,力学と電磁気は大分完璧になったと思います.

熱力学の分野が出るかなと思いマセマの『熱力学

 

 

『基礎物理学演習』の熱力学2周して8割くらいは身につけました.

 

 

・1次試験前日
御茶ノ水の「御茶ノ水ホテル ジュラク」に泊まりました.
東京の先輩方に食事に連れて行ってもらい,ホテルに帰って『ポレポレ英文読解』を読み直して最後の復習をしました.
ぐっすり眠れなかったです(笑)

 

・1次試験当日
記憶が曖昧ですが,試験科目やその内容などを説明していきます.

・英語
1,リスニング
得意ではなかったのと,内容をきちんと把握するようなテストではなかったので,覚えてないです.
聞いたことをそのまま写す問いと,放送文のTrue or falseでした. 

2,英語→日本語
エネルギー資源についてとかの長文の中から下線部を訳すという問題でした.

3,日本語→英語
科学系の文章でした.
英作文を鍛えていたのと単語を繰り返しやっていたのでだいたいできたと思います.
あまり時間を取れないのでスッと思いつかないといけないと思いました.

4,長文読解
長文読解は15分ほどしか手をつけられなかったです.
なので取れそうなところをきっちりとりました.
全部が全部難しいというわけではないので時間が足りなかったらこうするしかないと思います.

5,ES細胞やiPS細胞に関する英作文
試験2週間前に,先生に『日経サイエンスで鍛える科学英語』

 

日経サイエンスで鍛える科学英語

日経サイエンスで鍛える科学英語

 

 

を借りて最新の科学の記事を読んでいたのでスラスラ読めました.
科学技術系の用語や話題は頻繁に出ると思うのでこのような本で対策をするのはアリです.

・数学
1,微分方程式
きちんと対策していれば簡単だったと思います.
ですが,2階の微分方程式を行列の形に変換する問題をやってなかったのでできなかったです.後で振り返ると簡単でした.

2,確率・統計
去年までのような確率の問題とはうってかわっていきなり微分方程式を解いて分布関数を導く問題だったのであまり自信はなかったです.
一応,最後の問い以外は埋めたので8割あるといいほうかなと思います.

3,幾何学(ハイポサイクロイド
完全に白紙でした.
対策していたら取れてたと思いますがこればかりはしょうがなかったです.

4,複素関数
コーシー積分を用いて解く問題でした.
三角関数をいやらしい感じで混ぜてきてたのですが,コーシー積分定理を用いた問題をやっていた人は,見たことあるような問題なので解けてたと思います.

5,行列
正直言うとラッキー問題でした.流れに沿って導いていく感じだったのでありがたかったです.

・物理
1,力学
台車と台車の斜面を転がる物体の摩擦力は考慮しない運動でした.
覚えている限り手書きで再現しようと思ったのですがコメントなどがあったら上げようと思います.
小問が多くて大変だったのですが,慣性力の問題だとすぐに気づいたので半分は解けたと思います.

2,電磁気学
電荷を持った球についてでした.半径rの球2つが1つになったり,それぞれ体積の等しいn個の球に分裂したりするときの電位やエネルギーについての問いでした.
電磁気は基礎をしっかり対策していたので8割くらいはできたと思います.

3,ドップラー効果
対策してなかったので問題見た瞬間に終わったと思いました.
ですが,できる限りの知識を絞り出して解答に一貫性を持たせるようにしました.
大問3については幅広く対策しておく必要があると感じました.

 

・2次試験まで

1次試験結果発表当日の10時に発表でした.受かっててビックリでした.
この4日後に2次試験だったのですぐに面接対策をしました.一応英語だった時のために英語でも対策はしました.

 

・2次試験

前日は「フォーレスト本郷」に泊まりました.ミスがないよう当日の朝,入念に確認しました.
面接自体は英語ではありませんでした.時間も10分もなくあっという間でした.志望動機や1次試験の出来,高専での成績について掘り下げていくような感じでした.特にミスはなかったと思います.
計数工学科志望が自分を含め4人おり,去年の先輩の中に計数落ちて第2志望の方に受かった人がいたという話を聞いたので安心はできませんでした.

 

・結果発表

落ちててビックリでした.
先生や友達,先輩に報告するのは辛かったですね.
たぶん計数工学科の定員2人だったのでしょう.

 

・成績開示

1次試験の成績はこのような感じでした.

英語 293/500 : 数学 295/500 : 物理 197/300

数学悪くてビックリでした.対策が甘かったです.
でも,物理が良かったから1次試験突破したのでしょう.
他の受験生と比較して及ばなかったのが悔やまれます(笑)

 

こんな感じで東大受験が終わりました.
1次試験は受かる実力だけ認められたのでとても自信になりました!